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東大寺二月堂の修二会 お水取りとは?日程や混雑状況は?

修二会お松明
東大寺二月堂の修二会

修二会(しゅにえ)は2月から3月にかけて行われる奈良東大寺二月堂で行われる宗教行事で奈良の人にとって「春の訪れ」となるなじみ深い大切な行事です。

二月堂の回廊から「お松明(おたいまつ)」を持った僧侶が駆け回るダイナミックな場面がクローズアップされて地元の人や観光客で大いに賑わいます。

一般的に「修二会=お水取り(おみずとり)」と認識されていますが実はお水取りは修二会という行事の中のごく一部の儀式であるということはあまり知られていません。

  • 修二会とはそもそもどんな宗教行事か?
  • 修二会(お水取り)の日程
  • 修二会当日の混雑状況は?

以上を間近で見たままを写真を交えて混雑具合や当日の様子をご紹介します。

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修二会とは?お水取りやお松明は修二会のごく一部の儀式!?

お水取りという呼び方で親しまれている毎年3月に東大寺二月堂で行われる修二会ですが、一般的な認識としてお松明を持った僧侶が二月堂を走り回る光景が思い浮かびます。

しかし、「お水取り」は修二会のごく一部の行事ということはあまり知られていません。

そんな修二会とはどんな行事かをおさらいしていきましょう。

修二会とは752年から続く歴史ある不退の行法

修二会とは二月堂を開かれた実忠和尚(じっちゅうかしょう)が創始して以来、奈良時代にさかのぼる天平勝宝4年(西暦752年)から不退の行法」として一度も途絶えることなく2019年で1268回を数え現代に受け継がれてきた歴史ある宗教行事です。

  • 平家による南都焼き討ち
  • 江戸時代の二月堂の焼失
  • 第二次世界大戦時の混乱

これら様々な困難を乗り越えて「一度も絶えたことがない」のはまさに不退の行法ですね。

修二会は懺悔し、祈り、願う行事

修二会は世界の平和や国の安泰、人々の幸せや五穀豊穣を祈る法要で旧暦の2月1日から行われてきたことから「2月に修する法会=修二会(しゅにえ)」と名付けられ、二月堂の名称もこれに由来します。

修二会の正式名称は「十一面悔過法要(じゅういちめんけかほうよう)」といい練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる僧侶が世の中の人々に代わって日々の過ちを二月堂のご本尊「十一面観音(じゅういちめんかんのん)」に懺悔し心身のけがれを払い新たな1年の幸せを祈願する行事です。

修二会は準備期間の別火と本業で行われる

一般的に知られる修二会は3月1日~14日の2週間のことと思われていますが、修二会は

  • 2月20日~2月末日の別火(べっか)と呼ばれる前行
  • 3月1日~15日未明の本業(ほんぎょう)

2月20日~3月15日未明の約1か月間の行法を「修二会」といいます。

中でも広くニュースで取り上げられ一般的に認知されているのは3月の本業の方です。

「別火」とは「本業」までの準備期間で東大寺の創始者「良弁僧正(ろうべんそうじょう)」の命日である12月16日に発表された練行衆らが法要に必要な物を作るなど本業までの準備期間にあたります。

別火は「東大寺戒壇院(かいだんいん)」の「別火坊(べっかぼう)」と呼ばれる場所で2月20日~末日まで練行衆が泊まり込みで行われます。

世間から身を遠ざけての精進する期間のため一般の参拝者が近づくことができません。

戒壇院の別火坊での前行を終えた練行衆は2月28日には二月堂下の参籠(さんろう)宿所に移動します。

二月堂下の参籠宿所
二月堂下の参籠宿所
二月堂下の参籠宿所
二月堂下の参籠宿所の西側。鬼子母神がお祀りされています。

修二会の本業は1日を6回に分け悔過作法を行う

本業では1日を6つの時間に分けてお勤めが行われます。

  • 日中(にっちゅう)
  • 日没(にちもつ)
  • 初夜(しょや)
  • 半夜(はんや)
  • 後夜(ごや)
  • 晨朝(じんじょう)

の6つに分けそれぞれに悔過作法を行います。

そして、みんなが知る「お松明(おたいまつ)」は初夜の行法のために二月堂に上ろうとする練行衆の足元を照らす道明かりとして灯されます。

お松明は通常は10本灯されますが12日には約8メートルの一回り大きい「籠松明(かごたいまつ)」が灯されます。

写真は「籠松明(左)」と「通常のお松明(右)」を並べて展示しているもので二月堂の北側の「二月堂茶所(一般参拝者の休憩所)」で見ることができます。

籠松明(左)と通常のお松明(右)
二月堂茶所には籠松明などが展示されています。

お水取りやお松明は修二会のごく一部の行法

2週間にも及ぶ修二会の本業終盤の3月12日の深夜(13日未明)には二月堂下の「閼伽井屋(あかいや)」別名「若狭井(わかさい)」から十一面観音にお供えする「お香水(おこうすい)」が汲み上げられます。

お香水が汲み上げられる閼伽井屋(若狭井)
二月堂の閼伽井屋からお香水が汲み上げられます。
閼伽井屋の由来
お香水を汲む儀式がお水取り

このお香水を汲み上げる儀式こそが「お水取り」で「修二会=お水取り」と呼ばれる由来の儀式です。

そして、お水取りが行われる12日には通常のお松明より一回り大きい約8メートルの「籠松明」が灯されます。

この3月12日には毎年2~3万人が訪れ、奈良公園周辺の交通規制や二月堂付近への入場規制がされています。

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東大寺修二会 お水取りの日程!お松明や籠松明の時間は?

修二会とは2月20日の別火から本業の3月15日未明までの約1か月間のことを言いますが一般参拝者が見学できる本業の日程をご紹介いたします。

まずは日程表をご覧ください。

月日
時間お松明のタイプ
3月1日~11日19:00~約20分間通常松明(10本)
3月12日19:30~約45分間籠松明(11本)
3月13日1:00~お水取り
3月13日19:00~約20分間通常松明(10本)
3月14日18:30~約10分間尻つけ松明(10本)

本業の3月1日~11日と13日は19:00の鐘の音を合図にお松明に火が灯され約20分間明かりが灯されます。

そして満行前夜の14日には10本のお松明に一斉に火が灯され約10分間の短い時間になりますが1本ずつ火が灯される通常のお松明とは比較にならないほどの迫力になります。

連続してお松明が上がりこの日だけは前の練行衆のお尻に火が着きそうな勢いから「尻つけ松明」「尻焦がし」などと呼ばれています。

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修二会 お水取りの混雑やアクセスルートを紹介

修二会の混雑やアクセスルートについてご紹介いたします。

東大寺大仏殿前を通って二月堂にアクセスするルートが一般的でわかりやすいのですが混雑しやすいので大仏殿の北側を通ってアクセスするルートをご紹介いたします。

石畳の道をのんびり歩くのも風情があっていいものですよ。

※この石畳を歩く大仏殿の北側ルートは最も混雑する12日は規制されて通れないので、12日以外のおすすめのルートです。12日の混雑日には全く当てはまらないので12日に行こうと思っている方は参考にしないでください。

以下の時間経過と状況は3月最初の土曜日で比較的混雑すると言われている曜日ですが18時15分頃に到着したわりに見やすい位置を確保できました。

それぞれの位置は下の地図でご確認ください。

  • 奈良県庁周辺の駐車場に駐車(18:00)
  • 徒歩で「東大寺焼門」を右折(東へ)
  • 大仏殿の北側(裏)を通過(18:10)
  • 第二拝観所を通過
  • 二月堂参籠(さんろう)宿所に到着
  • 閼伽井屋の前で見学(18:15)

写真は土曜日で比較的混雑する日ですが1時間前18:00過ぎの到着でもそこそこ見える位置です。

注意したいのはこの後10分ぐらいでかなり人が増えてくるので余裕のある方は18:00頃に到着するつもりで行くとより良いポジションで見学できます。

また、二月堂のすぐ下の良弁杉(ろうべんすぎ)の周辺に陣取りたい場合は明るいうちからのんびりと待機するのも一つの手ですね。

写真は当日(土曜日)の15:00頃の様子です。

のんびりと座っておられますが、まだまだ3月初旬は冷えるので防寒対策はしっかりされることをおすすめします。

先ほども申し上げましたが籠松明の出る3月12日は最も混雑する日で二月堂までのルートが規制されて第二拝観所から見ることになることもあります。

肉眼ではかなり小さく見えてしまうので、混雑に覚悟がない場合は混んでいる12日は避け、それ以外の日に行って近くから見るほうが迫力を体感できることと思います。

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まとめ

修二会とは2月20日~2月末日までの別火と3月1日~14日までの本業の行法でお水取りやお松明はその一部の儀式にすぎません。

派手さゆえにお松明の部分ばかりがクローズアップされていますが1か月間近く練行衆と呼ばれる僧侶の皆さんが私たちの代わりに平和や五穀豊穣を祈って修行されていることを思うとありがたいことで感謝するばかりです。

籠松明がでる3月12日もダイナミックで魅力がありますが、混雑を避けるなら3月12日以外の日により近くで見学するのもおすすめですよ。

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