北円堂(北円堂)は興福寺の創建者、藤原不比等(ふじわらのふひと)の一周忌にあたる721年(養老5年)8月3日に完成しました。
しかし、
- 1049年(永承4年)→火災で焼失
- 1180年(治承4年)→平重衡による南都焼討で焼失
と、2度も焼失を経験したのち1210年頃(承元4年)に再建され現在に至ります。
現在の北円堂は800年以上の歴史があり国宝に指定されています。
また、普段は一般公開されていない北円堂ですが、例年春と秋に期間限定で「特別開扉」されています。
では、北円堂の特別開扉の日程情報やお堂内ので拝観できる仏像や限定の御朱印をご紹介いたします。
興福寺北円堂 特別公開の日程は春秋の年二回
北円堂の特別公開(開扉)の期間はここ数年は春と秋の2回と決まっています。
2019年の特別開扉の期間は下記のような日程となっています。
特別開扉の日程は春、秋ともに例年同じような時期に公開されます。
参考までに過去の日程を記載しておきます。
まずは春の北円堂特別開扉
- 2012年4月28日(土)~5月6日(日)
- 2013年4月12日(金)~6月2日(日)※南円堂創建1200年記念
- 2014年4月26日(土)~5月11日(日)
- 2015年4月25日(土)~5月10日(日)
- 2016年4月23日(土)~5月8日(日)
- 2017年4月22日(土)~5月7日(日)
- 2018年4月21日(土)~5月6日(日)
続いて秋の北円堂特別開扉
- 2011年10月8日(水)~11月23日(水・祝)※三重塔と同時公開
- 2012年10月27日(土)~11月12日(月)
- 2013年10月26日(土)~11月10日(日)
- 2014年10月25日(土)~11月9日(日)
- 2015年10月24日(土)~11月8日(日)
- 2016年10月22日(土)~11月13日(日)
- 2017年・・・特別開扉なし
- 2018年10月20日(土)~11月11日(日)
以上のように基本的に
- 春の特別開扉は4月第4土曜日から5月第1日曜まで
- 秋の特別開扉は10月第3土曜日から11月第2日曜日まで
他のお堂との同時公開などイレギュラーな日程の年もありますが、およその日程は決まっています。
ちなみに2017年の秋の特別開扉がなかったのは『興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」』で東京国立博物館に北円堂の仏像が出張展示されていたからです。
特別な事情がない限りは例年、春と秋の公開はされています。
北円堂の公開で拝観できる仏像
北円堂で拝観できる仏像は
- 弥勒如来(みろくにょらい)坐像
- 法苑林菩薩(ほうおんりんぼさつ)坐像・大妙相菩薩(だいみょうそうぼさつ)坐像
- 無著菩薩(むじゃくぼさつ)立像・世親菩薩(せしんぼさつ)立像
- 四天王(してんのう)立像
以上の仏像が安置されています。
ご本尊の弥勒如来は1180年の南都焼討後に運慶(うんけい)一門によって再興された寄木の木造で脇侍に法苑林菩薩・大妙相菩薩を従えています。
無著菩薩・世親菩薩も弥勒如来と同時期に作られたもので運慶の代表作というだけでなく日本彫刻を代表する名宝と高い評価の作品です。
四天王像は「木心乾漆造(もくしんかんしつづくり)」という木屑と漆を混ぜ合わせた「木屎漆(こくそうるし)」を粗削りした原型に盛り上げて成型する技法で作られています。北円堂の仏像の中では最も古い791年に作られています。
四方向を守護している四天王像は手を伸ばせば届く位置にあり、国宝を間近に見ることができるのも北円堂特別開扉ならではです。
かつては鮮やかな色彩が施されていたのであろう跡もわずかですが見えるほどの間近です。
手が届く位置といっても当然のことながら触るのは厳禁ですよ。
限定授与 北円堂の御朱印
北円堂の公開期間だけいただける御朱印もあります。
北円堂の御朱印は南円堂の近くの授与所でいただけます。
御朱印の値段は300円で授与所は9:00~17:00まで開いていますが、受け付けは16:45までです。
北円堂の回廊の柱の後にも注目
北円堂の周囲には回廊がほぼ正方形に囲うように作られていたことが2011年の発掘調査で確認されています。
回廊の柱の跡も特別公開期間中は間近に確認することができます。
北円堂の回廊の再建を含めた興福寺境内整備計画は現在進行中で近い将来再建された回廊も見ることができるはずです。
興福寺北円堂へのアクセス
近鉄奈良駅東改札より「東大寺・春日大社・興福寺」方面へと上ると行基広場へ出てきます。
ここから東へ2~3分程度歩くと興福寺の境内に入ります。
興福寺には駐車場もあります。
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