東大寺大仏殿の見どころの一つに「柱くぐり」というものがあるのはご存知でしょうか?
現代風に言うと大仏殿の柱の穴をくぐり抜ける人気の「アトラクション」のようなものです。
お寺や神社がメインの奈良の観光地は残念ながら子供には退屈な場所ですが、柱くぐりに関しては大人も子供も盛り上がって楽しんでいます。
では、柱くぐりとはいったい何なのか?
- なぜ柱に穴があるのか?
- 柱の穴と大仏様の鼻の穴には意外な関係があった!?
- 柱くぐりは大人も無事に通過できるか?
写真とともに謎解きを兼ねて紹介いたします。
東大寺の大仏殿の柱に穴がある理由
大仏殿の柱くぐりに成功すると
- 無病息災
- 頭がよくなる
などのご利益があるとされているので大仏殿に拝観に来た人たちはこぞって柱くぐりにチャレンジしています。
でも、ご利益があるからというのは後付けの理由で元々は「厄除け」のために穴があけられた、というのが理由のようです。
穴のある柱は大仏様の右後ろの柱で方角で言うと「大仏殿の北東」にある柱です。
この方角は「丑と寅の間、“艮(うしとら)”」の方角で鬼の出入りする場所「鬼門」とされていて何事においても不吉で避けるべき方角とされています。
鬼門は邪気がたまり、気が乱れやすくなることから穴を開けることによって邪気を逃がす役割を果たしているんですね。
柱の穴と大仏の鼻の穴の関係とは?
柱の穴の大きさは「横30cm×縦37cm」と人がくぐり抜けるにはそれほど大きくないサイズです。
この柱の穴の大きさは偶然なのか、狙ってのものなのかは定かではありませんが、大仏様の鼻の穴と同じ大きさだそうです。
このことから柱くぐりの別名に「鼻の穴くぐり」という呼び方もあるようです。
狭い場所をくぐり抜けてこれまでの穢れ(けがれ)をはらい身を清めて新しい自分に生まれ変わる「胎内くぐり」という一種の修行が日本の各地で行われています。
この柱くぐりも「大仏様の鼻の穴」をくぐり抜けることで災厄を祓う「胎内くぐり」のような修行的な意味もあるのかもしれませんね。
東大寺の柱くぐりのコツは?大人にもできるか?
では、実際に柱くぐりはどんな人でも成功できるのか?
大柄な大人でも体験できるのか?
気になるところですが、よほどの「ふくよかさん」でない限り大丈夫でしょう。
写真の男性は身長170cmぐらいの比較的肩幅のあるガッチリとした体形でしたが無難にくぐり抜けていました。
といっても30cm×37cmの大きくはない穴なのでちょっとしたコツが必要です。
- 両手を先に穴に入れ「バンザイ」の形で侵入する。
- 穴の対角線を利用して斜めに侵入する。
すんなりとくぐり抜けている人は大体この2点を守っていました。
片腕でも残して侵入してしまうと途中で引っかかって詰まってしまいますし、対角線を利用しないと穴に入ることすら難しいと思いますよ。
東大寺大仏殿の柱くぐりの待ち時間は?
この日は2月の土曜日で比較的観光客が多い方でしたがご覧のように10mほどの列が出来ている程度で時間にして10分ほどで順番が回って来ていました。
春から夏にかけての観光シーズンの土日や連休などにはこの倍以上の列になりますがUSJやディズニーランドの2時間、3時間の待ち時間に比べたら大したことはありませんので・・・。
まとめ
東大寺の大仏殿の柱の穴は「鬼門の柱に穴をあけ邪気を逃がす役割」があります。
また、柱の穴と大仏様の鼻の穴の大きさが同じなのは偶然で特に深い意味はありません。
柱くぐりはお寺巡りで退屈した子供さんにも楽しんでもらえるので家族連れの方に行ってもらいたい場所の一つです。
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